日本語能力試験N3対策について

本記事では、日本語能力試験N3(以下、N3)に向けた勉強の仕方を紹介します。N3に合格すると履歴書でアピールポイントになるなど、就職や進学といった場面で将来の選択肢を広げるのに役立ちます。それだけに、思い立って気軽に受験できるような難易度ではないので、ある程度の時間をかけた試験対策が必要です。ぜひ、しっかり準備をしてから臨みましょう。なお、このコラムには英語版もあります。多くの人のお役に立てば幸いです。

目次

試験に向けた勉強の仕方

まず語彙を増やしましょう

N5からN3の各レベルで、知っていて使えるよう求められる漢字と語彙の総目安量は、それぞれ次のようになっています。

漢字:N5 100 N4 300 N3 600

語彙:N5: 800 N4: 1500 N3: 3000

この表からは、N3に合格するにはN4までに覚えた漢字・語彙の量を倍にする必要がある、ということが分かります。そこで、例えばスマートフォンに専用アプリケーションを入れておけば、大学やアルバイト先へ移動する間にも、少しずつ勉強することができます。急に多くの漢字や語彙を覚えるのは難しいので、空いた時間を活用するとよいでしょう。

次に過去問を通しで実施、ペース配分と苦手を把握

漢字や語彙を増やすスキマ学習とは別に、始めに一度、1回分の過去問題を解くとよいでしょう。実際の試験で、どの科目にどれほど時間がかけられるか、反対に今の自分がどれくらい問題を解くのにかかっているか、そのズレを知って対策することが、受験勉強の第一歩です。試験の問題数が多いので、まずペース配分をつかみ、最終的に問題を解く速度を上げることを目標にします。

N3は①言語知識(文字・語彙)が30分、②言語知識(文法)・読解が70分、③聴解が40分の計3科目、全140分の構成です。それぞれの科目毎に、下回ると不合格になる基準点があります。どの科目も満遍なく得点できるようになりましょう。

①の文字・語彙問題と②の文法問題は、なるべく短時間で解答し、後で読解問題に集中できるようにしたいところです。また、見直しのためにも、余裕をもって解けるようになるのが理想と思われます。では、具体的に②の読解問題を解くにあたって、何分くらいが目安になるでしょうか? 問題集などには、各設問の制限時間が書かれていることがあります。それらを元にすると、以下のようなことが言えそうです。参考にしてみてください。

読解問題の詳細な時間配分:

・問題数の少ない短文読解:1問あたり1~2分

・問題数の多めの長文読解:1問あたり3~5分

苦手な範囲を重点的に特訓

一通り過去問題を解いてみると、理解または時間が追いついていないなど、きっと受験に向けた課題が見えてくると思われます。人によって苦手な範囲は違うはずです。不得意な科目に合わせた対策ドリルを活用して、繰り返し練習してみてください。

試験日から逆算して余裕ある試験対策を!

以上の勉強方法をどう実践するかは、試験までの期間によっても変わります。自分が受験する日程を踏まえて、進捗を管理しましょう。例えば、「総まとめ」シリーズなどの試験対策本は、毎日見開き1ページやるだけでも、2ヶ月くらいで終わります。図書館やマルチリンガルプラザにも所蔵されているので、一度、本の中身を確認し、自分が学習を進められるペースを考えてみてください。対策本は科目毎に刊行されているので、計画的に行うのがオススメです。

あるいは、実際に過去問を解いて現状の理解度を顧みて、改めて夏と冬のどちらにテストを受けるか見直してみるのもいいでしょう。

まとめ

  • アプリを活用して、スキマ時間に漢字や語彙の勉強を進めるのがオススメです!
  • 漢字や語彙が分かるようになってきたら、文法や読解、聴解の練習も始めましょう! 時間配分と苦手範囲を知るには、過去問が使えます。
  • 「総まとめ」シリーズなどの試験対策本は、一日につき2ページずつ進めれば、およそ6~8週間で終わります。科目毎に本が用意されているので、図書館やマルチリンガルプラザを利用して、計画的に学習しましょう!

公式ウェブサイトから例題を見てみましょう!

https://www.jlpt.jp/samples/sample09.html

アカデミック・ライティングにおける図表の活用

論文や学術書などで図表が使われているのを、みなさんも見たことがあるでしょう。みなさんの中には、実際にレポートや論文で図表を使われた経験のある方や、これから使おうとされている方もいらっしゃると思います。このコラムでは、アカデミック・ライティングにおける図表の活用について、具体的な例を示しながら紹介します。すでに慣れ親しんでいる図表の活用についての私たちの理解を一度整理し、よりよい図表の活用方法を考えてみましょう。

1.図表活用の目的
図表を活用することで、さまざまなメリットが得られます。一番のメリットは、図表を活用することで、ことば(本文)だけで説明すると煩雑になってしまう情報を簡潔に提示できることでしょう。
下の図は、大阪大学の学部学生の数の推移を表しています。

図1:大阪大学学部学生数の推移
大阪大学プロフィールより引用(最終閲覧日 2025年7月24日))

学生数を「令和6年度の全学合計は15059人、そのうち男子学生は9776人、女子学生は5283人、次いで令和元年度の全学合計は15285人、そのうち男子学生は…」というようにことばで説明すると、長くて退屈な説明になってしまいます。そこで上のような図を活用すると、長くて退屈なことばでの説明を省略し、学生数の推移を簡潔に提示できるようになります。
また、図表を活用することで、情報と情報に対する著者の見解とをわけて提示できます。上の図では、「大阪大学の学部学生の数の推移」という客観的な数値データが示されています。しかし、レポートや論文では、このような情報を提示することだけではなく、情報に対する著者の見解を書くことが求められます。たとえば、「平成26年度から、男子学生の数は逓減している一方で、女子学生の数は逓増しており、徐々に男女比が均衡に近づいていることが、図1からわかる。しかし、そのペースは非常に緩やかで、男女比が均衡するまでにはかなりの時間がかかりそうだ。」といった下線部のようなコメントが、情報に対する著者の見解にあたります。このように、客観的な情報を図表で示し、情報に対する著者の見解をことば(本文)で書くことで、客観的な情報と著者の見解を分けて示すことができます。
図表を活用することで、①ことば(本文)だけで説明すると煩雑になってしまう情報を簡潔に提示できる、②情報と情報に対する著者の見解とをわけて提示できるという、2つのメリットを得ることができます。このようなメリットを得るために、私達は図表を活用します。

2.図表の主な構成要素
図表の主な構成要素は、次の4つです。

・図表本体
・図表の番号
・図表のタイトル
・図表の情報源(参考文献)※もしあれば

図2:大阪大学学部学生数の推移※赤枠線付き
大阪大学プロフィールより引用(最終閲覧日 2025年7月24日))

図2において、赤枠で囲まれた部分が図表本体です。この中には、折れ線やメモリや数値や凡例などが書かれています。図表本体の下に、「図2:大阪大学学部学生数の推移※赤枠線付き」と書いてあります。この「図2」が図表の番」で、「大阪大学学部学生数の推移※赤枠線付き」が図表のタイトルです。また、丸括弧で囲われた「大阪大学プロフィールより:…」が図表の情報源です。

3.図表活用の要点
図表の活用には、いくつかの要点があります。ここでは、次の3つの要点に絞って解説します。

①「図表と本文を結びつける」
②「わかりやすい図表を作る」
③「定められたフォーマットに従う」

まず、①「図表と本文を結びつける」についてです。図表を用いる場合は、必ず本文中で図表に言及するようにしましょう。図表を用いて筆者が伝えたい意見を、しっかりと本文中に書かなければなりません(2.も参照)。そして、当然のことですが、図表にもとづいた筆者の見解は、レポートや論文での議論の一部となっていなければなりません。議論と関係ない筆者の見解を書いてはいけないように、議論と関係ない図表も用いてはいけません。
次に、②「わかりやすい図表を作る」についてです。まず、図表本体や図表のタイトルでは、短くてわかりやすい言葉や数値を使いましょう。そして、言葉を使うときは、文ではなく体言止めを使いましょう。体言止めとは、動詞(用言)ではなく、名詞(体言)で終わる表現のことです。たとえば、上記の図2のタイトルとして、「大阪大学学部学生数は推移しています」は不適切です。これを体言止めに変えると、「大阪大学学部学生数の推移」になります。また、フォントサイズや線の太さ、余白、色使いなども工夫してみてください。フォントサイズが小さすぎたり、線が細すぎたり、余白が狭すぎたり、反対に広すぎたりすると、図表が見づらくなってしまいます。図2では、複数の折れ線を、それぞれの折れ線の色を変えて、わかりやすく提示しています。ほかにも、図表が大きくなってしまいそうなときは、いくつかに分けて提示するなどの工夫もできます。わかりやすい図表を作る理由のひとつは、読者に正確に図表を読んでもらうことです。図表自体をわかりやすくすることも大切ですが、必要に応じて、図表の読み方について本文中で補足を加えるのもよいでしょう。
最後に、③「定められたフォーマットに従う」です。論文の場合、投稿雑誌によって投稿規定が決まっています。論文を投稿する際は、しっかりと投稿先の雑誌の投稿規定を確認し、それに合わせた図表を使うようにしましょう。たとえば、日本語教育学会の学会誌のフォーマットを日本心理学会のそれと比べると、次のような多くの違いがあることがわかります(表1)。

表1:日本語教育学会と日本心理学会の学会誌執筆の手引きにおける図表の扱いの比較
(日本語教育学会の「『日本語教育』執筆の手引き」と、日本心理学会の「執筆・投稿の手びき(2022年版)初版第 1 編集版」を参考に作成(最終閲覧日 2025年11月10日))

日本語教育学会の学会誌の執筆の手引きには、図表に関する指定が数行程度しか書かれていない一方で、日本心理学会の学会誌の執筆の手引きには、7頁にわたって図表の書き方に関する細かい指定が書かれています。学会によって学会誌のフォーマットはかなり異なります。論文を投稿する場合は、あらかじめしっかりと投稿先の投稿規定を確認するようにしましょう。
授業で提出するレポートの場合、授業内容と関連する学会の投稿規定に沿ったレポートを要求されることもあれば、なんの指定もない(一般的なお作法にしたがって書く)こともあるでしょう。参考までに、以下に『阪大生のためのアカデミック・ライティング入門』25頁に記載されている図表活用についての説明を引用しておきます。

レポートやレジュメの内容がよくわかるように、図や表を貼り付けましょう。レポートやレジュメに貼り付けた図や表には番号や説明(キャプション)を付ける必要があります。図のキャプションは下に、表のキャプションは上に配置するのが一般的です。また、図や表の情報源も示しましょう。

授業でなんの指定もない場合は、授業内容と関連する学会の投稿規定を参考にするか、『阪大生のためのアカデミック・ライティング入門』を参考にするのがよいと思います。
この他にも、図表を使うときのコツや工夫はたくさんあります。みなさんも、レポートや論文を書いていく中で、自分なりのコツや工夫をどんどん見つけていきましょう。

4.図表活用の注意点
図表の活用には大きな利点がある一方で、ときにはデメリットを生じさせることもあります。たとえば、表にする必要のないシンプルな情報を表にしてしまうと、ことばだけで説明するよりもスペースをとってしまうこともあります。むやみに図表を使う必要はありません。また、わかりやすい図表でなければ、逆に読者の混乱を招くことにもつながります。

図3:大阪大学学部学生数の推移※凡例抜き
大阪大学プロフィールより引用(最終閲覧日 2025年7月24日))

図2は、図1から図上部に記載された各折れ線の説明(凡例)を省いたものです。図2を見ただけでは、各折れ線が何を示しているのかわかりません。ですから、各折れ線が何を示しているのかを説明する必要があります。また、図1と図2には、5,000や10,000といった縦軸の数値の単位(人)が書かれていませんから、これも書かなければなりません。

少し長くなってしまいましたが、ここまでに、1.図表活用の目的、2.図表の主な構成要素、3.図表活用の要点、4.図表活用の注意点の、4点を説明してきました。レポート初心者の方には多すぎるくらいの内容だった一方で、これから論文を書くという方には少々物足りない内容だったかもしれません。いずれにせよ、この記事がみなさんのアカデミック・ライティングに少しでもお役立ちすることができれば幸いです。図表を活用して、魅力的なレポートや論文をどんどん書いていきましょう!(私も頑張ります!)

大阪大学人文学研究科言語文化学専攻 木村 研太
(完成日 2025年11月10日)

11月後半の会話練習の申し込み受付開始 (豊中)

11月17日 (月)~11月26日 (水) の会話練習の予約受付を開始しました

英語: 月、火、木
日本語: 火
中国語: 月・木
韓国語: 水

26日 (水) は月曜授業の振替日なので、プラザも英語と中国語の会話練習を実施します
27日 (木) は授業休業日ですのでプラザも閉室します

詳細/お申し込みは、KOAN/My Handaiアプリの掲示板もしくはプラザのオープンチャットから。

映画「42~世界を変えた男~」鑑賞会

「42~世界を変えた男~」鑑賞会

大谷翔平をはじめ、多くの日本人選手がアメリカのプロ野球で活躍していることが当たり前となっている今、野球が、アメリカ社会そのものの規範を反映し、アフリカにルーツを持つ方々を排除する「白人のスポーツ」と捉えられていた過去を忘れがちかもしれないです。今でもその過去が乗り越えられていないという批判もよく耳にします。
そこで、より開かれたメジャーリーグを切り拓いたジャッキー・ロビンソンの画期的な生涯を描く映画『42』を一緒に鑑賞し、ディスカッションをしましょう。
皆様の積極的なご参加をお待ちしています!

日時: 11月12日 (水) 12:15-14:45 (映画鑑賞2時間ほど+ディスカッション)
場所: OUマルチリンガルプラザ (豊中・D3センター 4F)
映画は字幕つきです

参加ご希望の方は、こちらからお申込みください

「OUマルチリンガルプラザ体験」を開催します

11月2日 (日)、3日 (月) に、「OUマルチリンガルプラザ体験2025」を開催します。
いずれもオンラインでの実施です。
実施する内容は以下の通りです。それぞれに申し込みが必要ですので、リンクよりお申込みください。 お申込み後、後日Zoomのリンクを記載したメールをお送りしますので、当日はそちらよりご入室ください。

11月2日 (日) 13:00-14:30 多言語多文化理解ワークショップ (院生スタッフ企画・運営) 「世界の鉄道に乗ろう!」
 みなさんは、夏休みに海外へ行く予定はありますか?もし海外旅行に行く機会があれば、移動手段として是非鉄道を使ってみてください。
 鉄道駅は、空港とは異なり、たいていどの街でも中心地にあるため、観光に使える時間を有効活用できます。また、航空券ほど値段が高くないので、予算を抑えることができます(安い周遊券も多いです)。寝台列車を利用すれば、宿泊代の節約にもなります。さらに、車窓から景色をのんびりと眺めることもできます。
 このように鉄道旅行はメリットが非常に多いですが、具体的な旅の技術(切符の買い方など) を知っておくと安心です。
 そこでOUマルチリンガルプラザ院生スタッフ企画として「世界の鉄道に乗ってみよう!」を開催します。当日は大学院生スタッフがアジア、ヨーロッパ、中東・北アフリカの一度は乗ってみたい鉄道、おすすめの旅程、鉄道沿線の観光情報、切符の買い方などを写真とともに分かりやすく紹介します。
 短い時間ではありますが、一緒に世界の鉄道について知ってみましょう。

お申し込みはこちらから。

11月3日 (月) 13:30-14:30 日本語学習支援ワークショップ
 地域の日本語教室など、日本語学習支援に興味を持つ方を対象としたワークショップです。AI翻訳、やさしい日本語についての説明の後、対話を通して日本語学習支援について理解を深めます。

お申し込みはこちらから。

11月3日 (月) 13:00-15:00 会話練習 (13:00-13:20, 13:30-13:50, 14:00-14:20, 14:30-14:50)
・実施言語: 英語、韓国語
・20分間、好きなテーマについて、パートナーと話すことができます。
・文法などを勉強するためというよりは、その言語での会話に慣れていただくことを主目的としています (授業やレッスンではありませんし、特定の語学検定試験の中の会話セクションの対策を念頭に置いたものではありません)。

お申し込みはこちらから。

【参加者募集】ワークショップ JLPT(N3)を知ろう!

JLPT(日本語能力試験)のN3を受験しようと考えている方、初級レベルの日本語を学んだ人向けのワークショップです。日時:2025年10月14日(火)、10月28日(火)、11月18日(火)、12月2日(火)昼休み(12:05-13:00)全4回場所:豊中キャンパス OUマルチリンガルプラザ(D3センター4階)対面 / Zoom申込: 前日までに申込フォームよりお申込みくださいhttps://forms.gle/cAAjs131q2vMsw957

チラシはこちら

日本語学習者向け情報2025秋冬

OUマルチリンガルプラザでは、日本語を学習している留学生や研究員を対象に秋冬学期(10月1日~1月31日)以下のセッションを行っています。

(1)日本語学習アドバイジング(40分)
アドバイザーに1対1で計画・目標・教材などについて相談できます
日時 毎週火曜日 15:10~15:50、16:00~16:40
場所 OUマルチリンガルプラザ豊中 または Zoom
対象 日本語学習の相談がしたい方
*初めて日本語を学習する方から上級まで
申込 こちらから

(2)日本語会話練習(20分)
大学院生のパートナーと好きな話題で話す練習ができます
日時 毎週火曜日
12:00~12:20、12:30~12:50、 13:00~13:20
場所 OUマルチリンガルプラザ豊中 またはZoom
対象 日本語で話す練習がしたい方
申込 こちらから

(3)OMPICサロン(60分)
日本語学習に関するその日のトピックに合わせてグループで話したりアドバイザーに相談したりします
日時 豊中:毎週火曜日 10:30~11:30 / 吹田:毎週金曜日 12:15~13:15
場所 OUマルチリンガルプラザ豊中 / OUマルチリンガルプラザ吹田
対象 その日のトピックに興味がある方
申込 こちらから

(4)日本語チュータリング(30分)
大学院生チューターからより良い文章を書くためのアドバイスを受けることができます
日時 毎週月曜日 13:00~13:30、14:15~14:45
場所 ZOOM
対象 日本語でレポートや論文を書いている方
申込 こちらから

ポスターはこちら

日本語能力試験対策 その4:読解(全4回)

本コラムはワークショップで使用したふりがな付きスライドを基に書かれたものです。ワークショップでは、英語による補足もありましたが、JLPTのN3を受験する人が読む場合は難しい漢字もあります。AI翻訳などを使って読んでみてください。

こんにちは、日本語イベント担当のTAです。

今回はJLPT N3の読解部分について説明したいと思います。N3の読解試験では、文章の内容理解と情報の抽出能力が試されます。問題の種類は主に以下の通りです:

問題種類とその特徴

  1. 内容理解問題(短文、中文、長文)
    • 記事や対話文を読み、内容に基づいた質問に答えるタイプです。
  2. 情報検索問題
    • 短い文章や広告、案内から特定の情報を探し出す問題です。

対策法

内容理解問題に対する対策

  • 長文読解の練習: 定期的にニュース記事や短いエッセイを読むことで、幅広いトピックに慣れ親しむことが大切です。特に、主旨をつかむ練習を重ねることが効果的です。
  • 要約スキルの強化: 読んだ内容を自分の言葉で簡潔に要約する練習をしましょう。これにより、重要な情報の抽出能力が向上します。

情報検索問題に対する対策

  • スキャニング技術の向上: 文章から必要な情報を迅速に見つけ出す訓練をします。日々の学習で、メニューやスケジュール表などの実用的な文書を使って練習しましょう。

日常からの練習

  • 定期的な読書: 特に小説や専門書ではなく、日本の新聞や雑誌を読むことで、現代の表現や用語に触れることができます。
  • 語彙力の強化: 日常会話やビジネスシーンで頻繁に使用される語彙に焦点を当て、積極的に覚えることが重要です。語彙力が増すと、読解速度と理解度が向上します。
  • 模擬試験の実施:読解問題は一定の時間内で情報の収集・理解を試す試験ですので、規定時間で実際に問題を模擬練習することも大切です。定期的に模擬試験を練習し、自分のリーディングスピードを確認したり、読解問題を解くスキルを把握したりすることができると思います。

これらの対策を実施することで、N3読解試験における様々な問題に効果的に対応できるようになります。日々の学習と実践を通じて、読解力を着実に高めていきましょう。

これまでにJLPT N3の語彙・文法・聴解・読解という4つの部分について解説しましたが、皆さんの受験対策に役立てば幸いです。試験問題や対策法への理解はもちろん重要ですが、自分に適する計画を立ち、それに沿って日々の練習の積み重ねは最も不可欠だと思います。これらの対策法を日々の練習に生かしていただいて、N3試験で良い結果を収めることを願っております。

以上がN3対策の読解部分の紹介でした。他の回では、語彙、文法、聴解の対策を紹介しています。ぜひ合わせて活用してみてください。

これまでのコラム:

https://plaza.cme.osaka-u.ac.jp/2025/06/06/eesay19/ ‎

https://plaza.cme.osaka-u.ac.jp/2025/06/06/eesay20/ ‎

https://plaza.cme.osaka-u.ac.jp/2025/06/06/eesay21/ ‎

日本語能力試験対策N3対策 その3:聴解(全4回)

本コラムはワークショップで使用したふりがな付きスライドを基に書かれたものです。ワークショップでは、英語による補足もありましたが、JLPTのN3を受験する人が読む場合は難しい漢字もあります。AI翻訳などを使って読んでみてください。

こんにちは、日本語イベント担当のTAです。

今回はJLPT N3の聴解部分について説明したいと思います。N3の聴解部分には5種類の問題があります。それは、課題理解問題、ポイント理解問題、概要理解問題、即時応答問題、そして統合理解問題です。以下では、まずそれぞれの問題例、解答の流れ、及び対策法を紹介します。

問題の種類とその流れ:

課題理解問題:質問を聞く→話を聞く→用紙の選択肢を見る

 この問題は、特定の課題についての会話の内容を理解し、正確な答えを選ぶ能力を測ります。効果的な対策としては、日常的な会話やニュース放送を聴く練習を積むことが重要です。また、具体的な情報をメモする練習をして、聴いた内容を素早く整理し、正確に覚える技術を養いましょう。

ポイント理解問題:質問を聞く→用紙の選択肢を見る→話を聞く

 ここでは、話の特定のポイントや詳細を捉えることが求められます。このタイプの問題に対処するためには、事前に質問を理解しておくことが肝心です。その上で、話のキーワードや重要な情報に注目して聞くことがポイントです。実際の会話やオーディオブックでリスニングの実践を重ねることで、集中力と情報の抽出能力を高めましょう。

概要理解問題:話を聞く→質問を聞く→選択肢を聞く

 話の全体的な流れや概要を掴むことが必要です。この問題には、広範な聴解力が求められるため、さまざまなトピックに関するオーディオ素材を聴き、主要なアイデアやテーマを速記する練習を行います。また、話の進行を追いながら主題や意図を予測する練習も効果的です。

即時応答問題:文を聞く→返事(選択肢)を聞く

 短い会話や質問に対して、適切な返答を選ぶ力を試されます。ここでは、日常会話でよく使われる表現やフレーズを習得し、即座に反応する訓練が必要です。友人や言語交換パートナーとのロールプレイを通じて、自然な会話の流れで返答する練習を積むことがおすすめです。

統合理解問題:話を聞く→質問を聞く→選択肢を聞く/見る

 複数の会話や情報から、関連するデータを統合し、適切な解答を導き出す問題です。この種の問題に対する最良の対策は、長めのオーディオ素材やポッドキャストを聴き、主要な情報を要約する技術を磨くことです。また、異なる情報源から情報を整理し、関連付ける練習を行うことが効果的です。

以上の問題種類による異なる対策法の他、日常的な練習方法を取り入れることは、JLPT N3聴解試験において非常に効果的です。さらに、以下の対策を強化することを提案します:

日常的な会話への慣れ:

  • 日本のラジオ番組やポッドキャストを聴く 日常会話だけでなく、少しフォーマルな話題にも触れることができます。様々なアクセントや表現に慣れることができるため、聴解力の向上に直接役立ちます。
  • 言語交換パートナーとの実践 実際に日本人と会話をすることで、リアルタイムでの反応力や理解力を鍛えることが可能です。また、実際の会話の中で生じる自然なフィラーや言い回しにも慣れることができます。

メモ取りのスキルアップ

  • 要点のみをメモする練習: 長文を聞きながら重要なキーワードやフレーズを抜き出す練習を行います。これは、特に統合理解問題で役立ちます。
  • 聴解トレーニング中のシャドーイング: 聞いた内容をそのまま繰り返し話すことで、聞いた情報の即時処理能力を高めることができます。また、このプロセスで重要な情報を自然と覚えることができます。

これらの練習方法を日常生活に取り入れることで、N3聴解試験の各セクションに対応するスキルが自然と身につきます。聴解能力の向上は、言語の習得において非常に重要な要素であり、実生活でのコミュニケーション能力向上にも直結します。

 以上がN3対策の聴解部分の紹介でした。他の回では、語彙、文法、読解の対策を紹介しています。ぜひ合わせて活用してみてください。

次回: https://plaza.cme.osaka-u.ac.jp/2025/06/06/eesay22

日本語能力試験N3対策 その2:文法(全4回)

本コラムはワークショップで使用したふりがな付きスライドを基に書かれたものです。ワークショップでは、英語による補足もありましたが、JLPTのN3を受験する人が読む場合は難しい漢字もあります。AI翻訳などを使って読んでみてください。

こんにちは、日本語イベント担当のTAです。

今回はJLPT N3の文法部分について説明したいと思います。N3の文法部分には3種類の問題があります。それは、選択問題、入れ替え問題、そして補充問題です。以下では、まずそれぞれの問題例を紹介し、その後、対策法とおすすめの文法サイトを取り上げます。

まずは文法問題の部分にどのような問題種類があるのかをみていきましょう。それぞれ問題例を一つ挙げており、N3文法の難易度についても簡単に認識しましょう。

【問題例】

選択問題

・問題1:文を理解し、最もいいものを選びなさい(13問)

問題1:今のわたしの安い給料では、何年いても自分の家は(              )そうもない。

  1買い 2買え  3買う 4買える

 (正解:1)

V (ます形)ます + そうにない:できる可能性が低いことを表します。話し手が状況から判断する場合で使われます。

入れ替え問題

・問題2:文の順番を選び、★に入れるものを選びなさい(5問)

問題2:あの博物館は曜日  ___ ___   ★   ___  窓口で確認したほうがいいよ。

1閉まる時間 2違うから 3によって 4が

 (正解:4)

補充問題

・問題3:文章を読んで、空欄に最もいいものを選びなさい(5問)

問題3:東京に来て、電車を使う人がとても多いのにびっくりしました。ラッシュアワーは、駅も電車も本当に混雑しています。最初は、人が多くて大変なのに、なぜみんなが電車を使おうとするのか不思議でした。しかし、東京に来て2か月たって、その理由が____。 

1 わかって くるはずです    2 わかって いくそうです

3  わかって きました      4 わかって いったようです

 (正解:3)

次は文法問題に対する受験対策を紹介したいと思います。

【対策法】

参考書や問題集を活用して、文法の基礎を固める

初めに、N3レベルの文法を網羅的に学べる参考書を使って基礎を学びます。例として、『みんなの日本語中級』や『新完全マスター文法N3』などがおすすめです。また、参考書で勉強する際に、各文法項目に対する例文を理解し、自分でも同じ形式の文を作る練習をしましょう。

問題形式に慣れる

選択問題対策……助詞や助動詞など、正確な文法知識を問われる問題が多いです。似た文法を比較しながら学習することで、選択肢に迷いにくくなります。

入れ替え問題対策……語順を学ぶために、文の構造を意識して勉強します。文章を分解して順番を考える練習を行いましょう。

補充問題対策……文脈を読む力が必要です。長めの文章を読んで文脈をつかむ練習をすることが有効です。

毎日少しずつ練習する

文法学習を継続するために、1日に3~5つの文法項目を復習する習慣をつけましょう。気軽に継続的な学習を進めるためには、オンラインツールの活用がおすすめです。以下では、「日本語NET」という日本語学習サイトを紹介します。

【文法サイト紹介】

日本語NET「文法」https://nihongokyoshi-net.com/jlpt-grammars/

日本語NET「文法」は、JLPTに登場する文型を紹介するサイトです。文法項目を50音順で並べていて、そして絞り込み検索機能も備えていて、文法の勉強にとても便利だと思います。

さらに、各文型において、「意味とその英訳」・「接続」・「例文とその英訳」・「類似文型」・「類似文型との使い分け」・「教科書のおすすめ」6つの部分が紹介され、全面的に文法項目に対する理解を深めることができます。

文法練習の時知らない文型があった場合や文法知識を強化したいなどの場合おすすめです。ぜひ使ってみてください!

以上がN3対策の文法部分の紹介でした。他の回では、語彙、聴解、読解の対策を紹介しています。ぜひ合わせて活用してみてください。

次回: https://plaza.cme.osaka-u.ac.jp/2025/06/06/eesay21/ ‎