【アカデミック・スキル】日本語でメールを送る第4回 (全4回)

こんにちは、OUマルチリンガルプラザTAの重久理奈です。

これまで大学・研究生活でよくあるメール作成場面と表現を取り上げてきましたが、今回で最終回です。学会発表に申し込むにあたって必要な、プロポーザルや要旨の確認をお願いするという事例を想定して文例を紹介します。

用件別のメール文例

3. 文書の確認、または作成の依頼
さて、◆◆学研究科◇◇学専攻に在籍している院生の▼▼さんと、指導教員の▲▲先生の登場も最後となりました。今回は、▼▼さんが研究成果を報告するため、学会発表へ応募しようとしています。多くの学会では研究発表に申し込むにあたり、応募段階で審査用のプロポーザルや、プログラムと共に公表される要旨の準備が必須となっています。また、学内でアルバイトやティーチングアシスタント(TA)をするにあたって、提出書類への先生からの確認と署名を要することもあるでしょう。
肩書きや名前を入れ換えれば、ある程度は所属にかかわらず通用する文面になっていますので、ぜひご活用ください。

【学生から先生への打診】
件名:学会発表にあたって要旨の確認のお願い
▲▲先生

お世話になっております。
◆◆学研究科◇◇学専攻の▼▼です。
この度は、これまでの研究成果をまとめて、
★★学会で口頭発表することを考えております。

そこで、お忙しいところ恐縮ですが、
申し込みの前に、本メールへ添付した
要旨の内容に関して、目を通して
コメントいただけないでしょうか。

申し込み期日は202X年Y月Z日となっております。
今から2週間後に控えており、あまり時間がなく
申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

【先生から学生への返信】
件名:Re:学会発表にあたって要旨の確認のお願い
▼▼さん

メールありがとうございます。
▲▲です。

wordファイルにコメントをつけました。
適宜、取捨選択してください。

せっかくの機会ですから、
広く意見の交換ができるとよいですね。
よろしくお願いいたします。

【学生から先生への返信】
件名:Re:Re:学会発表にあたって要旨の確認のお願い
▲▲先生

ご返信ありがとうございます。
▼▼です。

コメントくださり、ありがとうございます。
ただ一箇所、どうしてよいか悩むところがあり、
少しお時間を頂戴できたらと思いますが、
ご都合はいかがでしょうか。

お手数をおかけし恐縮です。
何卒よろしくお願いいたします。

それでは、本コラムも最後になりましたが、何かと悩みがちなメールの文面の指針となれば嬉しいです。皆さんの研究生活の一助になりますように!

改まった場面での一般的な敬語の使い方についてオススメの本
蒲谷宏(編著)・金東奎 [ほか] (著) 敬語コミュニケーション. 朝倉書店.
→口頭・文面を問わず、多様な場面・状況と話題に応じて、指針が示されています。
→豊中の本館だけでなく、箕面キャンパスの外国学図書館やCJLC図書室にもあります。また、通学しているキャンパスに取り寄せることも可能です。