こんにちは、日本語チュータリング担当TFです。
チュータリングでは日本語のレポートや論文を添削しています。
いろいろな方が書いた文章を添削していると、共通するよくある修正というのがいくつかあります。
その中でも「字下げ」に関する修正は頻度が高いのですが、一方でルールが理解できれば間違えることはなくなるものでもあるので、コラムとしてここにまとめておこうと思います。
「字下げ」とは、「行頭にスペースを入れる」ことです。
論文やレポートを書くときには、大きく2つの字下げのルールがあります。
①段落の冒頭は全角1文字、字下げする
②長文を直接引用する時は、引用部分の前後を1行改行し、全体を全角2文字程度、字下げする
①段落の冒頭は全角1文字、字下げする
日本語では、段落のはじめに全角1文字のスペースを入れます。
例:
本研究では、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇。
まず、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇。
次に、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇. . . . . .
日本語の段落冒頭の字下げは全角1文字だけです。
半角4-6文字程度あける英語や、全角2文字あける中国語と比べると少なめですね。
また、英語と異なり、章や節の最初の段落であっても、全角1文字の字下げが必要です。
なお、この「全角1文字ルール」は縦書きでも同じで、段落はじめは全角1文字分、下にさげます。
②長文を直接引用する時は、引用部分の前後を1行改行し、全体を全角2文字程度、字下げする
長文を直接引用する、つまり参考文献から一言一句そのまま長い文章を引用するときは、改行して全角2文字程度字下げします。
なお、引用文の頭にも全角1文字分の字下げをすることもあります。
また、引用部分の右側にもスペースを入れる場合もあります。
引用における字下げを含むルールは学術雑誌によって異なるので、論文を書く際は投稿先の執筆要綱やガイドラインをよく確認しましょう。
特に指定がない場合は、全体を通じて引用の仕方を統一することが大切です。
今回は、日本語の「字下げ」について簡単にまとめてみました。
こうしたルールは文章を読みやすくするためにあります。
読み手に配慮した見やすい文章を心がけてみてください。
新井凜子