留学を通して考える3-言語習得以外における成長-

留学を通して考える1・2を通して、私が留学中にどのような学びを経験してきたのか、教室内外での学びに分けて考えてきた。今回のコラムでは、留学中の言語習得以外において、私自身がどう変化し成長してきたのかについて紹介する。
私が留学を通して、最も成長したと実感する点は、物事に対してより積極的に取り組み、自分の意見を述べることができるようになったことである。留学中、私は何人かの先生から、日本から来た学生はやや内向的な学生が多く、あまり自身の意見を発言しないと聞いたことがある。たしかに欧米の学生と比べると、日本からの学生は静かな方に属するのだろうかと疑問に思ったこともある。ただ、私はこの言葉があまり好きではなかった。授業を真面目に聞いていても、発言をしないことで意見がない学生と見られていると感じたためである。その頃からか、私は授業中に頷くことより、自身の言葉で発言しようと努力するようになった。発言した内容に語彙や文法の間違いがあったかもしれないが、自分の言葉で自分の意見を伝えることに意味があると感じた。
これは、主に教室内で感じたことではあるが、教室外でも例外ではなかった。中国人ルームメイトともめ事が起こった時も、私はきちんと自分の言葉で自分の気持ちを伝えようとし、気まずさから逃げようとはしなかった。2人1室の共同生活とはいえ、共有スペースを除けば、各々の部屋があることから、必要最低限の関わりで生活することも可能だったからだ。しかし、私は一生に一度きりであろう留学先でのルームメイトとは良好な関係を築きたいと思った。そのため、共同生活をする上で改善された方が良い思うことは相談し、一緒に考えていく姿勢をとっていた。留学を終え、5年が経った現在も、当時のルームメイトとは連絡を取っており、留学中の思い出話をする仲である。
 この他に留学を通して成長した点は、時間を有効に使いながら、挑戦してみたいと思うことは全て行動に移していたことである。留学中は、自分が受講していた授業の他に、北京大学の学部生の授業を聴講したこともある。単位とは関係ないが、学部生の授業も聞いてみたいと思い、挑戦してみたのである。内容理解に追いつけず、途中で諦めてしまったが、今思い返しても良い挑戦だったと感じている。また、長期休暇に入れば、飛行機、バス、高鉄(日本でいう新幹線)などに乗り少し遠くまで旅に出かけた。旅先では、それまで知らなかった中国の新しい一面を見ることができ、新しいものに出会う度に私はワクワクしていた。言語の面においても、中国はとても広く、北京から一歩外へ出ると、今まで聞いたことのない中国語を耳にすることがよくあった。私が旅した中でも、貴州省で話される方言は、全く理解することができなかったことを覚えている。書き言葉は同じなのだが、発音の仕方が異なり、これは本当に中国語なのかとびっくりした。
留学という限られた時間の中で、どれほどのことを学び吸収するかは、全部自分自身に委ねられていることに何度か気づいたことがある。時間をどのように使い、学びにつなげていくのかは留学中の最も大きな課題であるかもしれない。留学を通して、私は言語の学びとともに、私自身が大きく成長することができた。自分の意見をきちんと発言することや、相手と良好な関係を築くこと、また時間を有効的に活用することも学んだ。留学を終え、現在は中国語のインプット、アウトプットともに減少した。現地で身に付けた中国語を忘れないように、今後は言語能力の維持と向上を目標に中国語の勉強を続けていきたい。

(太田真実)