本コラムはワークショップで使用したふりがな付きスライドを基に書かれたものです。ワークショップでは、英語による補足もありましたが、JLPTのN3を受験する人が読む場合は難しい漢字もあります。AI翻訳などを使って読んでみてください。
こんにちは、日本語イベント担当のTAです。
今回はJLPT N3の聴解部分について説明したいと思います。N3の聴解部分には5種類の問題があります。それは、課題理解問題、ポイント理解問題、概要理解問題、即時応答問題、そして統合理解問題です。以下では、まずそれぞれの問題例、解答の流れ、及び対策法を紹介します。
問題の種類とその流れ:
①課題理解問題:質問を聞く→話を聞く→用紙の選択肢を見る
この問題は、特定の課題についての会話の内容を理解し、正確な答えを選ぶ能力を測ります。効果的な対策としては、日常的な会話やニュース放送を聴く練習を積むことが重要です。また、具体的な情報をメモする練習をして、聴いた内容を素早く整理し、正確に覚える技術を養いましょう。
②ポイント理解問題:質問を聞く→用紙の選択肢を見る→話を聞く
ここでは、話の特定のポイントや詳細を捉えることが求められます。このタイプの問題に対処するためには、事前に質問を理解しておくことが肝心です。その上で、話のキーワードや重要な情報に注目して聞くことがポイントです。実際の会話やオーディオブックでリスニングの実践を重ねることで、集中力と情報の抽出能力を高めましょう。
③概要理解問題:話を聞く→質問を聞く→選択肢を聞く
話の全体的な流れや概要を掴むことが必要です。この問題には、広範な聴解力が求められるため、さまざまなトピックに関するオーディオ素材を聴き、主要なアイデアやテーマを速記する練習を行います。また、話の進行を追いながら主題や意図を予測する練習も効果的です。
④即時応答問題:文を聞く→返事(選択肢)を聞く
短い会話や質問に対して、適切な返答を選ぶ力を試されます。ここでは、日常会話でよく使われる表現やフレーズを習得し、即座に反応する訓練が必要です。友人や言語交換パートナーとのロールプレイを通じて、自然な会話の流れで返答する練習を積むことがおすすめです。
⑤統合理解問題:話を聞く→質問を聞く→選択肢を聞く/見る
複数の会話や情報から、関連するデータを統合し、適切な解答を導き出す問題です。この種の問題に対する最良の対策は、長めのオーディオ素材やポッドキャストを聴き、主要な情報を要約する技術を磨くことです。また、異なる情報源から情報を整理し、関連付ける練習を行うことが効果的です。
以上の問題種類による異なる対策法の他、日常的な練習方法を取り入れることは、JLPT N3聴解試験において非常に効果的です。さらに、以下の対策を強化することを提案します:
日常的な会話への慣れ:
- 日本のラジオ番組やポッドキャストを聴く: 日常会話だけでなく、少しフォーマルな話題にも触れることができます。様々なアクセントや表現に慣れることができるため、聴解力の向上に直接役立ちます。
- 言語交換パートナーとの実践: 実際に日本人と会話をすることで、リアルタイムでの反応力や理解力を鍛えることが可能です。また、実際の会話の中で生じる自然なフィラーや言い回しにも慣れることができます。
メモ取りのスキルアップ
- 要点のみをメモする練習: 長文を聞きながら重要なキーワードやフレーズを抜き出す練習を行います。これは、特に統合理解問題で役立ちます。
- 聴解トレーニング中のシャドーイング: 聞いた内容をそのまま繰り返し話すことで、聞いた情報の即時処理能力を高めることができます。また、このプロセスで重要な情報を自然と覚えることができます。
これらの練習方法を日常生活に取り入れることで、N3聴解試験の各セクションに対応するスキルが自然と身につきます。聴解能力の向上は、言語の習得において非常に重要な要素であり、実生活でのコミュニケーション能力向上にも直結します。
以上がN3対策の聴解部分の紹介でした。他の回では、語彙、文法、読解の対策を紹介しています。ぜひ合わせて活用してみてください。