おうち時間の語学

おうち時間が続きますがいかがお過ごしでしょうか。それぞれのうちで、テレビやインターネットやSNSを観る時間が増えているのではないかと思います。テレビやインターネットやSNSでは毎日新型コロナウイルスに関する情報がいろいろと流れていますので、そういうのをキャッチアップしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。流行が世界中に広がっている今、いろんな国について、いろんな言語で情報が流れています。

私自身は英語の情報のほか、自分の専門のスワヒリ語のニュースをキャッチアップしています。自分の調査地であるタンザニアの状況がどうなっているか、政府や公的機関は感染拡大防止に向けてどんな策を取り、国民にどう周知しているかを知りたいという理由のほか、この話題をスワヒリ語でどう表現しているのかが気になるからです。

スワヒリ語で「ウイルス」をあらわす単語は、英語からの借用語のvirusiです。英語のvirusは単数形ですが、一部の複数名詞がvi-で始まることから、スワヒリ語ではvirusiは複数形として解釈されます。vi-から始まる複数名詞と対になる単数名詞はki-で始まりますので、ウイルスの単数形はkirusiなのかと思いウェブサイトを検索をしてみると、本当にkirusiが使われているサイトがいくつかひっかかります。とはいえ、通常はvirusiが用いられているようです。借用元の英語ではコロナウイルスはcoronavirusで、複数形はcoronavirusesです。複数形になると、数種類あるコロナウイルスの総称として解釈されるようです。スワヒリ語では通常複数形のvirusiを使いますが、この複数形はなにを複数としてとらえているのか (ひとつの種類のウイルスの数なのか、ウイルスの種類の数なのか)、逆に単数形のkirusiは何を単数としてとらえているのか…?また英語のcoronavirusesをスワヒリ語に翻訳するときにはどういう表現を使うのだろうか…と、興味はどんどん派生していきます。

いつまでつづくかわからない今の状況の中、なにか外国語を学習中の方にとっては、うちでできる、なにか楽しめる・打ち込めることのひとつとして、この新型コロナウイルス関連の情報を、その言語でどう表現しているのか調べてみるのもよいのではないでしょうか (アベマヤ)。